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N号棟の06のレビュー・感想・評価

N号棟(2021年製作の映画)
2.0
「死とはなにか」というテーマは一応一本筋が通っているように見える。
だが「和製ミッドサマー」といわれるのも仕方がない演出が多々あった。謎の宗教組織じみた住人たち。みなが叫び、男女問わず乱交をする。踊り始めた時は思わず吹き出してしまった。思想を語るのに、他人のふんどしを借りてはいけない。
ミッドサマーにそこまで似せるなら、いっそ幽霊団地ではなく山奥の集落にすればよかったのに。パッケージだけ変えようとする姑息さが鼻につく。あるいは監督にとって団地こそが閉鎖的村の象徴だったのかもしれないが、だとすればやはりもっとオリジナルの恐怖を探求しなければならなかったのだ。

最後の方「死にたくない!」と叫ぶあたりはセラピー映画みたいになっててよかったのに、残りの蛇足感が全てを台無しにする。
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