端的には和製「ミッドサマー」の雰囲気。
特殊な規律に基づくコミュニティに入り込み
次第にコミュニティと同一化していくお話。
根幹の思想に差はあれど
大まかな流れはほぼほぼ一緒だと思うので
斜陽著しいJホラー界に新風を入れようという
気骨を感じる点が一番グッド。
個人的に一番怖いホラー映画のタイプって
おぞましい怪物が出てくることでも
効果音とびっくり箱で驚かすことでもなく
理不尽な巨大な歯車に気付かぬままに巻き込まれていて
抜け出すことはできないというシチュエーション。
しかも理不尽さが説明されなければされないだけ良いとも
思っているので本作はその意味でかなりの高得点。
しかも驚くべきことに本作は
まごうことなきハッピーエンド。
藤子F不二雄先生の短編「流血鬼」のようでもあり
これももうみんなハッピー。
惜しむらくは主人公の死恐怖症という設定。
確かにこの題材であれば結構良さそうな設定なのだが
正直うまく機能していたとはいえず
ちょっと精神的に不安定という程度の描写だったのは
もったいないかなあという印象。
あとはヤリチン野郎の設定が生々しくてムカつく。
ムカつくということは大成功の証なんだけどね。
私もそんな楽しい学生生活を送りたかったよ。