KAIRI

X エックスのKAIRIのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
4.5
3組のカップルがポルノ映画の撮影に訪れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった

A24の新作ホラーということで、これは一筋縄ではいかないだろうなと思って見てましたww
最悪で最高なスプラッター映画が爆誕したなって感じだった!
ポルノとホラー、エロとグロの見事な融合にずっと目が離せない😐

エロシーンはしっかりとエロい。
このエロさが後のシーンで結構大切だと感じた。
グロシーンはここ最近、刺激的な作品が多く上映されていたため多少劣ってるかもしれないがそれなりに振り切ってはいる。
このグロ要素は後半で一気に残虐性を見せてくる。
このエロとグロの要素が見事に絡みあって、他のホラーとは一味違う危険な作品を作り出してる。

舞台は1979年のテキサス。
70年代、80年代のホラー映画のような演出や16mmフィルムで撮影された映像としても面白いレトロホラーだった😌
特に映像が切り替わるとこや映像の荒さ加減はレトロチック。

老人がホラーの対象となることが多い近年、今作も負けをとらない老人の狂気っぷり!
この老夫婦は残虐性も気持ち悪さも最高でした👍
そして、主人公のマキシーンと老婆のパールをミア・ゴスが一人二役で演じているという事実!
これはかなり珍しいし、演技力の凄さを感じた。
これは注目の女優さんになるかも…🙄

恐怖シーンは、最初は“老婆がいる”という不穏な空気感が流れ続けるが、後半はだいぶハイペースで人が死んでく。
このテンポ感は非常に気持ちいい。
爆音と人を殺していく様は、最後まで緊張感が走り続ける。
前半はゆったりと不穏な空気感を貯め続けて、後半に一気に殺戮していく。
ここはスラッシャー映画としてさすがだなと感じた🤭
ちょくちょく女性が発狂するの怖すぎ。
誰にでも訪れてしまうものであり、抗えない“老化”への恐怖と哀しみが描かれる良作スラッシャーホラーでした!

エンドロール後の映像は興奮した。














↓⚠️ここからネタバレあり

冒頭のストリップクラブからボビーが出てくるシーン。
このストリップクラブに描かれている“ブロンド髪の女性がワニに水着を引っ張られてる絵”がある。
この絵はボビーが後に“ワニに食われて死んでしまう”ことの暗示だと分かる🤔

移動してる最中に車にはねられた牛の遺体が出てくる。
この牛の内蔵をバンで轢くシーンは、これから起こる最悪な出来事のスタートであり、ラストの老婆の頭を引くシーンと重なる🧐

登場人物がバンに乗って移動したり、田舎で殺人鬼一家に襲われるというストーリーだったり、この部分は名作スラッシャー映画の「悪魔のいけにえ」のオマージュっぽい🤔

到着した先で出会うお爺さんとマキシーンが窓越しに見つける老婆。
お爺さんは出会った時にワニ用の銃を構えてくる。
お婆さんは池に向かったマキシーンに付き纏ってくる。
冒頭からこの2人は不穏で異質な存在であることが伝わる😫

老婆とマキシーンが家の中で出会ってレモネードを出すシーン。
このシーンで、撮影しているポルノ映画の内容と老婆とマキシーンの会話が重なる。

この後に、老婆がマキシーンと同じメイクをするシーン。
あれはかなり奇妙で、老婆の不信感が増す😣

夜中にボビーが歌うシーン。
このシーンで、ボビー側と老婆側のシーンで画面が二分割になる。
ボビーが歌う歌詞と老婆の心情がピッタリと重なる。
これは老婆に感情移入してちょっと泣きそうになるくらい魅力的なシーンだったと思う😢

ロレインがポルノ映画に出たいと言い出すシーン。
RJのシャワー室での涙。
あれは少し辛くて哀しい😔
その後、RJは帰ろうとするが目の前には老婆が立っていた。
「大丈夫ですか?」と声をかけるがゆっくりと体を抱きしめられる。
「やめてくれ」と拒絶した瞬間、RJは老婆に殺されてしまう。
このシーンは突発的で、車のヘッドライトと血飛沫が残酷ながらどこか美しさも感じた🧐

RJがいなくなってからロレインとウェインがRJを探す展開になっていく。
ウェインのパート。
まず、釘を踏んでしまうシーン。
これが地味に痛々しい…
不自然な3つの穴を覗いた時に、ウェインはクワで眼球を刺されて死んでしまう
ロレインのパート。
お爺さんの元へ行くが地下に閉じ込められてしまう。
そこで吊るされた男性を見つけて発狂する。
この男性が何をやられたのかは詳しくは明かされないけど、次回作で明かされるのかな🤔

夜中にジャクソンが起きるシーン。
この時に冷蔵庫から出して飲む牛乳パックの裏面に“男性が行方不明”という内容のものが写真と共に書かれている。
これは地下にあった吊るされた遺体の男性だと思われる🤔

ジャクソンとお爺さんが老婆を探すシーンでは、ジャクソンとお爺さんが“元軍人”だというのが重なる。

若者達と老夫婦の姿は、人間の“過去と未来”を描いてるようなもの。
ジャクソンとお爺さん、マキシーンと老婆のように“若者と老人”の相反するものを描くことで、老いに対する恐怖が更に増してくる😔

「お前のために地下に閉じ込めた」というお爺さんに対して老婆が「あの子じゃなきゃダメ」と応える。
“あの子”というのはマキシーンのことを指すが、マキシーンは最初から女優として“特別な存在(Xファクター)”だと言われている。
ここは今作で詳しく明かされていないが“特別な存在である理由”については次回作で明かされると思われる🤔

老婆がマキシーンの隣で寝るシーン。
このシーンは老婆のマキシーンに対する強い執着の表れ。
その後の裸で歩く老婆は最凶に怖
い😱
このシーンは「IT」や「ヴィジット」を思い出す。
やはり、裸の老婆はクソ怖いww

老夫婦のSEXシーン、これは狂気的ながら老いに抗う力強い様子が描かれる。
だが、マキシーンと同じ状況には絶対になりたくない😔

マキシーンが家から脱出したあと、ロレインを助け出すが外に出た瞬間、ロレインはお爺さんに射殺される。
このシーンはスピーディー過ぎて驚愕した。
死んだと思いきやロレインが息を吸い、驚いたお爺さんはまさかの心臓発作ww
焦る老婆に車から拾った銃を突きつけるマキシーン。
だが、マキシーンの銃は弾切れ、老婆は猟銃を放つが打った勢いで吹っ飛んでしまう。
腰をやられた老婆は動けないままマキシーンに顔面を轢かれてしまう。

老夫婦がやられた大きな原因のひとつはやはり“老化”。
老いてしまったがために心臓発作で死んでしまった。
老いてしまったがために吹き飛ばされ、腰をやられて動けなくなってしまった。
最後まで“老化”の切なさを描いていました😢

そして、マキシーンはたまに流れるテレビ映像の男性の娘だとわかる。
これは、次回作に大きく関係しているのでは!?🙄

タイトル「X」の意味。
・アメリカ映画協会が1968年から90年まで採用していたレイティング・システム。16歳以下の観客は鑑賞不可能という意味(X指定)。
・作中で頻繁に登場する言葉の「未知なる才能(Xファクター)」
・ドラッグによるエクスタシー(X)
などタイトルへのこだわりも見られる。



なんと言ってもエンドロール後の次回作の予告が良すぎた!
描かれるのは老夫婦の過去。
これは断片的な映像ではあるものの何が明かされ何が起きるのかという興奮と緊張を煽る映像だった。
エンドロールで退席した人達勿体ないぞ!
次回作、絶対見よ🤭
KAIRI

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