なべ

X エックスのなべのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.1
 うーん…三部作の一本目だから、厳密には評価保留なんだけど、Part 1としての評価はあまり高くない。ミアゴスが好きでも、A24であっても、裸がふんだんに出てきてもね。
 なんというか、昔からよくある奔放な若者が田舎で次々に殺されるB級殺戮ムービーの体なのだが、おバカな感じはなくて、A24らしい文芸風に彩られてる。悪い言い方をすると“ぶってる”のな。
 テーマなどいらないはずのやっすいスリラーにテーマを持たせてどうするんだよ。いったい何を企んでる? どういうやり口?って思うんだけど、それがよくわからないのだ。たぶんXファクターとは何だ?って話なんだと思うんだけど、Part1では明らかになってなくて。人の可能性と若さと老いみたいな感じはするけど、まだ捉えどころがない。エンドクレジット後のPart2予告で、若き日のパールをミアゴスが演じるのだとわかって、ますます混乱した。
 というか(以下ネタバレ)…




 あのキチガイの老婆もミアゴスが演じてたのだとわかって、ええっ?となったのだ。そういう仕掛けがあるのなら、描きたいことはいま見えてるものではなくて、もっと別の何かなのだろうと。
 だから現時点でもって評価をするなら3.1だけど、Part3まで観ると、ああ、そうか、そういうことなのか!と新たな境地が開けるのかもしれない。それなら、本作に満足できなくても付き合うしかない。エンドロールが始まった時には、「ああハズレのA24か。続きはもういいや」と思ったが、絢爛な予告編を見たら、気持ちが揺らいだ(前の席にスマホを煌々とつけてるバカがいてモンクを言ってる数秒間、スクリーンから目が離れたのが悔やまれる)。
 また、本編のエンディング近くで、ブラウン管の中の説教師が悪の道に進んだ娘の顔写真を公開するシーンがあったが、これを見ると宗教がらみのストーリーも用意されてるのかもしれない。
 Part1はイマイチだったけど、続くPart2、Part3は大好きな予感がする。ミアゴスが続投するなら続きを観ない手はないな。

 あ、そうだ。ミアゴスのファッションを見て、20代の頃、上司のデザイナーが裸にオーバーオールって格好で会社に来て、目のやり場にすごく困ったことを思い出した。うん、裸にオーバーオールは今も好きかも。

 例によって映倫はしょーもないボカシを入れてくれてる。ボカシの下は局部は映ってないのに。老人のケツにボカシをかけて楽しいか? 令和の時代にあって、結合してるとわかる部位にはボカシをって検閲がまだ継続中なのがマジで理解できない。ネットであらゆる結合が見られる時代にだよ。映画を毀損して何が映倫だよ。セックスが悪いことってそれどこの国の倫理観なんだよ。警察官の天下りのために存在する機関なんて潰してしまえ! 上映中にスマホを点けるバカと同じくらいバカな組織だわ。
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