延々と歩く

X エックスの延々と歩くのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
3.7
 三部作構成だったことでも話題のホラー映画。田舎でこっそりポルノをつくってる若者たちが、恐ろしい惨劇に巻き込まれる。

 アート系につよい独立系スタジオ「A24」が製作しあのマーティン・スコセッシにも称賛されたということで、これは見ないといかんと思ってました。そもそも僕が映画ファンになったきっかけの一つにスコセッシ監督の「カジノ」があって、彼が褒めたというなら無視はできない。

 まあアタシのスコセッシ奪っといて優しくするわけないからね?ってとこあるし最初の一時間だれも死なないテンポや地味さは70年代ホラーのリスペクトかもしんないけどさすがに真面目すぎじゃね~とくに映画に詳しくないお客さんも多いし…とかはあるけど、冷静に評価すれば傑作だと思う。

 主要キャラのひとりに「アート志向なのにぺーぺーすぎてデビュー作をポルノにされた監督」がいて、本作自体も彼の遺志(ネタバレ)に引っぱられたのかも。

 撮影されるポルノの主役を演じるのが「ニンフォマニアック」「サスペリア」のミア・ゴス。この人のルックスが絶妙で、確かに古いポルノにいそうにも見えるし反対にヨーロッパ系のすごく良いとこの子と言われても違和感ないような佇まい。実際に芸能一家に生まれまずモデルとしてデビューしているそうだ。

 新人監督の恋人で撮影スタッフでもある役に「ウェンズデー」直前のジェナ・オルテガ。最初はしぶっているのに彼氏から「ポルノに偏見をもっちゃいけない」と諭されるうち撮影に興味持っちゃってその場でポルノ女優に立候補、彼氏にカメラもたせて撮影させるという展開にブチ上がる。まさに自由世界におけるサックスの葛藤と苦しみなのだが、観客としては見たいもの全部みせてもらったのでなんも言えねえ。
延々と歩く

延々と歩く