ポルノ映画撮影隊6人が借りた撮影場所の家主の老夫婦はとんでもない素性が…というスラッシャー映画。名作ホラーのオマージュが嬉しく、警察が訪れる不穏な導入が良い。ホラーの死亡フラグと噂されまくるセックスが盛りだくさんの本作、結果は…。
過激な映像盛りだくさん！初っ端から牛の轢死体でガツンと殴ってくる映像の暴力！死体！セックス！野生動物（す〜っと迫る所が最高）！「目を逸らしたくなる有様」が大量生産される現場。裸オーバーオール姿の主人公マキシーンも普通だったら嬉しいセクシーなのに終始不穏な雰囲気で打ち消し。ホラー映画特有の「状況考えろ馬鹿かよ」をちゃんと取り入れてくれていて（？）、イライラさせてくれるし、唐突な衝撃はスカッと大笑いもさせてくれる。嫌な死に方演出やジャンプスケア等もあり、王道を往く訪ねた先で殺人鬼に襲われる系ホラー映画で面白かったです。
しかし、ホラーに「どうしようもねえ、立ち向かいたくねえ」という絶望感を求める身としては本作のヴィランは「なんとか立ち向かえそう感」を感じてしまい、気持ち悪さはあれど恐怖感が薄かったのは否めません（それが愛らしい魅力になりうる時もあるんですけどもね）。そのあまり怖くない要因となる「老い」という設定は良い面があります。ビジュアルが裏付けする不気味な描写に加え、若造組、特に主人公との対比が浮き彫りになり、共通している部分と異なる部分が印象深くなる点です。
絶対的な恐怖感を犠牲にしつつも、おはなしのテーマ性が駆り立てたクライマックスの展開と開示されている続編のタイトルを見ると続編に期待せざるを得ないですね。監督がレザーフェイスをパールなら倒せるとか言ってるみたいだけど、そのビジョンは想像できない。
