マコト

X エックスのマコトのレビュー・感想・評価

X エックス(2022年製作の映画)
4.1
 ※「パール」鑑賞後に見たので順番は逆になっちゃいましたし、印象が全然違ってくると思いますので、あくまで「パール」から見た僕の感想です。

 予告編や本編を見る限り「悪魔のいけにえ」を強くフォーマットにしている映画(特に家!「パール」を見るとわかりますが間取りがソーヤ家とほぼ同じ!階段は左右逆ですが)なのですが、テーマの根底に2つの根源的な要素が感じられました。これは「悪魔のいけにえ」ではもっと副次的な要素だったのですが、この作品では根っこのど真ん中にあると思います。

 1つはセックス。この映画の主役並びにそのキャストたちの目的はポルノ映画だし、老夫婦の障害は満たされない性欲、その逆方向を向いたセックスへの欲望が葛藤を生みこの物語の推進力となっています。そしてそれを映像として表現しているのが若者と老人の惨劇であるのでしょう。「悪魔のいけにえ」にもセクシャルな雰囲気と、車椅子の男がかもす不能感への苛立ちがありましたが、それが物語の推進力にはなたってなかったです。

 もう1つは、宗教、特にキリスト教。これは「悪魔のいけにえ」にはまったくなかった要素で、この作品は、ラジオやテレビから流れる伝道師、十字架など事あるごとにキリスト教を画面に映し出します。特に後半のある場面で老夫がわざわざテレビをつけ伝道師の説教を流すところに、この映画にはキリスト教に関わるある要素があるな、と僕は考えています。これは特に「パール」を見た時に強く感じ、この作品を見てより確信に近くなっていますし、恐らく三部作になるというのも意味のあるものだと思います。
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