ラリー

女性の光のラリーのレビュー・感想・評価

女性の光(1937年製作の映画)
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抗えない兄に強いられた結婚から逃げたと思ったらいきなり3年後になって、随分高飛車で図太い性格に変わったなぁなんて感心してたらころっといい奴になり、さらに年月経って30代後半にして人生悟ったような風貌に。キャラの一貫性のなさにもびっくりだけど、1930年代香港で封建的環境からは(嫌だと思ったら)逃げちまえ!ってテーマで作られているのにも驚いた。

そのはじめの方、女二人で逃げようとするところでグノーのアヴェ・マリアが使われてるんだけど、溝口『マリヤのお雪』のラストで山田五十鈴が思っている男をそっと逃がしてあげてから原駒子のいる店に帰ってくるところでも使われていて、近い年代に割と近い地方でシューベルトでもカッチーニでもなくグノーが流れる(しかも女二人と逃亡という共通項もあり)のは、偶然だとしても面白いなって。
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