スギノイチ

太陽への脱出のスギノイチのレビュー・感想・評価

太陽への脱出(1963年製作の映画)
3.0
日活の海外ロケ作品は駄作が多いが、これは出来が良い部類。
謎の武器商人を追う記者・二谷英明のルポ風の導入から、死の商人・裕次郎へと主人公へ移行していく構成に引き込まれる。
南田洋子や宇野重吉もドキュメンタリー作品のような重い演技をしている。

日本パートと海外パートでくっきりとスタイルが別れ、舞台がバンコクへ映ってからはマフィアとかが登場し出すので「あっまたいつもの流れに…」と危惧したが、割と抑制の効いた話に収まっていた。
ヒロインは珍しく岩崎加根子だが、華々しい日活ヒロインが多い中、幸薄そうな雰囲気がレアで割りと良い。
ただ、この二人によるチンタラしたメロドラマ部が多いので、海外パートが短ければもっと良かった。
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