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優雅なインドの国々 バロック meets ストリートダンスのhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

4.0
オペラとストリートダンスの出会い。
交わらなさそうな2つが、ひとつの作品をともに作り上げていくことで、お互いへのリスペクトが生まれる。

私は諸芸術のなかで最も映画が好きで、映画は総合芸術なのでできる限り幅広く芸術を横断していきたいと思っているのだけど、そのなかでやっぱり“畑”ごとになにか特有の体質的なものがあるよなと思う。それぞれのグルーヴがある。

このドキュメントのなかでも、最後のリハのあとにストリートダンサーたちだけが自然と集まってジャムのダンスバージョン(なんて言うんですか!?)をしているけど、それを横目にほかの人たちは割とあっさり捌けちゃうじゃないですか!?やっぱりあれは彼・彼女らの持ってる特有のグルーヴなのだよなと思うよね。だからこそ最後にも言及されていた、ソリストがダンサーを伴ってお辞儀したことに胸打たれるのかもしれない。

人種的にも芸術的にも異なるルーツの人々がそれぞれ自分の技術や才能を持ち寄ってひとつの作品が生まれるって深い深い感動がある。まさに理想郷。いいなぁカッコいいなあ。

エンドクレジットがあえて練習中の音源なのすごく良い。ほぼワンフレーズごとに指揮者から指示が入る。この指示自体が対旋律のように音楽的で心地よい。しかも「カンタービレ」のネイティブ発音が聴けるの地味に嬉しい。指揮者はただ手を振り回してるだけじゃない、誰よりも音楽と一体化していないといけないんだと知った。
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