なつ子

きさらぎ駅のなつ子のネタバレレビュー・内容・結末

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます



我らがはすみんのお話しをそのままやるのかと思ったらちょっとアレンジされており、90分で綺麗に話がまとまっていて丁度良い作品だった。

開始早々振り返ったらサラリーマンがいるのが心臓に良くなかった。ジャンプスケアある感じねと理解したので、後半車の下を覗き込むシーンは今か今かと画面を遠ざけてしまった。

きさらぎ駅中ずっと一人称視点でめちゃくちゃ良い。ゲームみたい。
ただ先生の話し方がめちゃくちゃナレーション感あってそこだけ不自然さがあった。
敢えて回想を強調しているとも取れるのでこれは個人の感じ方によるかも。もしくははすみんのミスリード的な話し方を暗に示していたのかな。

元の話では同じ電車に乗っていた5人は降りなかったが、一人では話の展開が難しいので全員下車した設定にして、元の話の通り線路を辿ったり、祭囃子の音が聞こえたり。伊佐貫トンネルを抜けて車に拾ってもらったり。ベースにきさらぎ駅のお話を置きつつも、異世界エレベーターの段階を踏むのをきさらぎ駅への手順と解釈するのが良かった。

話を聞き終わった後にはすみんとその姪がそれぞれ意味ありげな笑みを浮かべるのなんだろう?って思っていたけど、それぞれ別の思惑があることが後々わかるのが良かった。

いかにもな光のゲートを潜ったら死ぬのトラップでずるじゃんと思っていたけど、これこそはすみんのトラップで大人怖いねって感じ。先生の資格が無いってこういう部分込みで言ってたのかな。

話を聞き終わってその足で検証するの流石学生というべきかフットワークが軽すぎる。
だとしても一人で検証するなよとは思うけど。
記憶リセットで電車に乗ってる面子は同じ、大筋ははすみんの話通りに話が進んでいるとして、全員生存ルートかと思ったけど雲行きが怪しかった。

もしかしてヒーロー?は激熱すぎて笑った。堤さんの度胸が終始イカれている。
いくら異世界かも?と思っても躊躇いなく人を刺したり殴ったり出来るという人間性だったのかな。
ところで彼女は他の人間にいくらか話を共有すべきだよなと思っていた。死ぬ人間が変わったから意味ないってことかな?と思ったけど、どうも彼女敢えて救う人間を取捨選択していたよな。末恐ろしい。

予定調和ではすみんの行動をなぞっているだけかと思ったけど、土壇場で自分が助かろうとした醜い部分が堤さんを破滅へ導いていて良かった。醜い人間の表情が上手すぎる。完璧。

姪っ子ちゃんが現代らしく配信要素取り入れつつきさらぎ駅へ迷い込み、そこで堤さんの姿を見つけるところで終わるのが良かった。
とはいえおばさんの話ちゃんと聞いてた?って感じだけど、はすみんも姪より自分を救ってくれた宮崎ちゃんの方が大切だったのかな。
異世界に足を踏み入れ気が付いたら7年経ってましたなんてやっぱりおかしくなるのかな(7年経って戻ってきた話は他の人の創作らしいけど)。

短いながら元の話を踏襲しつつ、出て来るキャラクターも良い要素となり私は結構好きだったな。きさらぎ駅へ迷い込んでいる時にみんなの足が遅いのも夢の中もがいてるみたいで◎

気になったのは、発火して爆発するやつ何っていうのと、おじいさんの脚一本捥いで欲しかったなってところかな。
あと姪っ子ちゃんの配信人集まりすぎじゃない?
なつ子

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