僕が子供の時最初に知ったオードリー・ヘップバーンは、飛行機で世界を飛び回り慈善活動に勤しむ姿だった。ユニセフの小型飛行機から細身の老女が大きなサングラスをかけて地に下り立つ姿を、テレビのニュース映像でなんども見た。
僕にとってオードリーはそういう人だった。
それからそう経たないうちにやはりテレビで訃報が伝えられた。さらにそれから数年後にビデオを借りて「ローマの休日」を見た。とても美しい王女に魅了された。
それが僕にとってオードリーを知りうる全てだった。
この映画はオードリー・ヘップバーンという偉大な俳優の生い立ちから亡くなるまでを、関係者のインタビューと記録映像で描いた伝記である。
戦争経験、家族の愛に恵まれなかった事など、壮絶な生い立ちから、ただただ「愛」を求め続けた人生だったことに胸打たれた。