小さじ

マイ・ブロークン・マリコの小さじのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ずっと気になっていたやつ!
途中しっかり泣けた。

永野芽郁ちゃんと窪田正孝くん、両者とも一皮剥けたなーと思う。ガサツで口が悪くて男勝りなシイちゃんと、綺麗どころじゃない薄汚れた謎の男マキオを見事に演じてて違った方向性を見出せる当たり役だった。
脚を開いてタバコを吸うシーン良かったなぁ。中学生からスモーカーってどないなってんねん。帰宅してすぐ施錠しないところもガサツさが出ててヒヤヒヤした。
子役の演技も凄く良かった!素っ気なさが芽郁ちゃんの演技と同じ。ドアを殴りながらの絶叫も凄すぎて胸が痛かった。

「マリコ」と呼ぶ回数がかなり多くて、それ以外の登場人物の名前が覚えづらくなるほど刷り込まれた。マリコ以外の情報は今は関係無いんだって考え方なのがわかる。
マリコの家庭環境がやばくてマリコのせいじゃないのはよくわかってるけど、それはそれとしてマリコがメンヘラだから「優しくしてくれる人」「自分を見てくれる人」ってだけで好きになっちゃう。そして酷い目に遭っちゃう。シイちゃんは何度もうんざりしたと言ってたけど、マリコが可愛くて守ってあげたくて気を許せる相手だったんだと思う。

実家に乗り込んで包丁を突きつけたところで一番泣いた。父親に悲しむ資格は無い、殺したと言っても過言じゃない。こういう毒親ってなんで失ってから「あいつのために何もしてやれなかった…(失った俺可哀想…)」ムーブを総じてするんだろう。シイちゃんの絶叫が胸に刺さったし、マリコの代弁が切なかった。

ラストのひったくり犯を殴って骨壷が散った時、後ろのおっさんがあらら…って呟いたの許せない、黙って観ろ。行きたかった海に二人で来れてマリコは幸せだったと思う。
最後の手紙は「シイちゃんの子どもに絶対なるから、早く良い人見つけて結婚してね」かな。それかメンヘラだから「誰とも結婚しないでずっと私のことを覚えててね」かな。笑顔で締め括られたからふふっと笑える内容だったと思う。こういう想像に任せたラスト大好き。

映画のあとには牛丼を食べました。
小さじ

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