タナダユキ監督は本当に原作に惚れ込んでたんだろうなっていうのがわかる映画。原作漫画は熱量が凄まじくて一気に駆け抜けてく疾走感が絶妙な作品。なのでそのまま映画にしてしまうと1時間と持たない。そこを監督と脚本の向井康介さんで物語のエピソードを足していったのだろう。ただそれが物語の強度になってなくてちょっと残念だったかな。スピード感がなくなってしまってなんとなく物足りなく感じてしまった。
演者さんたちは皆さん好演してたように思う。主人公シイノ、永野芽郁さんと亡くなった親友マリコ、奈緒さんの熱演も伝わってくるし、何より原作から抜け出てきたようなマキオ、窪田正孝さんが良かった！ラスト近く、マキオが駅のホームでシイノにかけた言葉はずしりと胸に響く。
自分の弱さを平気で他者に押し付ける人間は残念ながら存在していて、特に逃げ場のない子どもが犠牲になることが多いのだろう。自分は物足りなかったと書いたけど、この映画に救われたり勇気づけられる人はたくさんいると思う、そんな人に届きますように。
エンディング曲Theピーズの「生きのばし」、今作にぴったりハマってて良かったー！最高でした。
