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マイ・ブロークン・マリコのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

会社員の主人公は親友のマリコが急死したことを知る。実父や過去の彼氏らに虐待を受けて幸薄い人生を送った親友のため、主人公は彼女の遺骨を奪い、彼女が行きたいと願った海を目指す旅に出るのだが......という話。印象的なあらすじにひかれて鑑賞。主演は永野芽郁。共演は奈緒。原作漫画は未読。

やや病んだ共依存関係な二人の友情を泣き笑いを絡めて描いたロードムービー。
がさつなヒロインが衝動的に遺骨を盗んで旅立つ際に、しみじみと親友を失った悲しみに浸る冒頭の流れが泣ける。ヒロインを束縛する割にとっかえひっかえ恋人を変える親友を放っておけない二人の関係も上手く描けていたし、主演の永野芽郁と奈緒も熱演していてハマり役だった。
ただ、設定やキャラクターは魅力的なのたが、回想シーンの内容や挿入のタイミングに工夫がなくてやや薄く感じた。二人の関係性を示す印象的なセリフはあるものの、エピソードがどれも似かよっているように思えた。
旅先で出会う窪田正孝演じる飄々とした釣り人は良い味を出していて、彼とヒロインの絡みは面白かった。彼の「死んだ人に会えるのは自分が生きているからこそ」というセリフが心に残った。
ラストに親友の最後の手紙がヒロインに届くのは良かった。文面は明かされず、読んでいるヒロインの表情だけで内容を想像させる演出は好みだった。
遺族が遺骨盗まれても警察に届けないのは優しい。

ひったくり犯が同じ地域で連日犯行を繰り返すのは無理があるかなあ。
あと、中学生が喫煙するシーンをそのまま残してるのはなかなか攻めてると思った。
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