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マイ・ブロークン・マリコのデコのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.3
マイブロークンマリコ

※漫画原作は読んでません
※永野芽郁がお好きな方は読まない方が賢明です


永野芽郁主演の人気漫画の実写化。
彼女の横顔のアップや表情、立ち姿は良いんだけど、
〜してねーんだよ、
とか
ポリ公
とか
〜じゃねえか
とか。それから
〜っス
とか。
あれヤンキー的なべらんめえ口調?は関東圏の人は言うの???ヤンキーは言うの?
わたしは関西人なのでわからないが、ちょっとデフォルメされてないのかな。
どちらにしても漫画だと全然おかしくないんだろうけど、実写で見せられると違和感がある。
ところどころある長回しとマリコ役の奈緒が壊れた姿を上手く演じているのに、急に永野芽郁のあの口調が出てくると冷めてしまう。
普通っぽく喋ってるところは良いんだけどな〜。漫画を実写化するにあたりリアリティライン考えたのか?と言いたい。

いくら漫画がそうでも彼女の演技力に合わせて台詞直すべきだったのでは?
そうすればこの違和感が少しはマシになったかもしれない。
あとところ構わず怒鳴るのも違和感。
極め付けは
「離しやがれ〜!!」
これははもう冷めるどころか引いた。
ため息でたわ。

あとは漫画では良いシーンだったであろう、マリコの父に包丁突きつけるシーンも台詞が上滑りしてて。
あれってさ、ドラゴンボールの悟空が言う、
「これはヤムチャの分、これはチャオズの分!そしてこれはクリリンの分だー!!」
(両方観てわかる人だけわかってください)
的な感じでセリフとしてはとても変では?
多分漫画として文字で読めばここまで感じないんだろうな。むしろ泣くよきっと。

ひったくりのシーンもそう。
ひったくられてからしばらくして、バイクを走って追いかける???普通する?
ああ、そういうところでどんどん冷めていく。

でもね。ちょっとだけ思う。

シイちゃん演じる永野芽郁はそういう風にしか人生を歩んでこれなかったのかな。
人と上手く付き合えず、親しい人はいないらしい。もちろん親とも上手くやっている感じもない。
マリコは父親から酷い虐待を受けてきたけれど、シイちゃんもまた同じだったのか?
口には出さないけれど。
それは彼女の強さなのかもしれない。

自分と同じだからこそシイちゃんの目には庇護対象のようにマリコが写り、そうすることで依存していたのかもしれない。
シイちゃんはマリコを恋愛対象として愛していたのかもしれないけどね。それはそれで良い。

このあたりはいかんせん原作読んでないから超トンチンカンなこと書いてるかもしれないけど、映画はどのように取ってもその人のそれぞれだから。そんなことを感じたりもしたってことで色々思うところのある映画でもあった。
こういう色々考えられるっていうのは、余白があるってことだから。
映画に余白は必要なんですよ。

だからね、物語としての原作の良さね。
漫画読もうかなあ。

映画に良いところももちろんあったよ。
まりがおか岬で劇伴無くしての会話音声。録音が良い。
あと鉄琴みたいな劇伴がめちゃくちゃダサいなあと思ったものの、効果音をところどころで瞬間無音にするタイミングはとても良い。終わり。
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