シズヲ

少林寺 4Kリマスター版のシズヲのレビュー・感想・評価

少林寺 4Kリマスター版(1982年製作の映画)
3.7
悪しき軍勢に立ち向かう少林拳の達人たち!!武術家ジェット・リーの映画デビュー作であり、日本においても少林拳ブームを齎した作品。冒頭で少林寺の概要が大まかに語られる他(日本少林拳についても触れられる)、作中においても蟷螂拳や酔拳などの様々な武術が披露されたりと少林拳のプロモーション的な雰囲気も感じる。

ひたすら狂ったようなカンフーの連続で、冒頭から終盤に至るまで超人的武術が次々に披露されるので凄まじい。主演のジェット・リーや少林寺の僧侶は勿論のこと、ヒロインや敵の兵士や将軍に至るまで武術の達人なので脱帽させられる。全員強すぎる。これだけのアクションが繰り広げられながらもスタントは一切使われず、いずれの役者も本物の武術家であることには唸らされるばかり。あまりの密度ゆえ次第に食傷気味になる部分も否めないとはいえ、素手の体術から武具を用いた戦法に至るまでキレッキレのアクションが詰まってるので清々しい。特に酔拳の動きは初登場時からインパクト大だ。

若かりし日のジェット・リーが案外柔和な雰囲気なのもあってか、要所要所でユーモラスな描写があるのも地味に印象的。TPOのノリで案外すぐに破られる少林寺の掟などのツッコミ所も散見されるが、目玉であるアクションシーンの切れ味が素晴らしいので何だかんだ許してしまうところはある。

それはそうと犬の誤殺や和気藹々とした犬食いシーンなど、現代的感覚では犬権軽視と思えるカルチャーショック描写は衝撃的なので犬好きの人にはオススメしづらい。犬のみならず山羊虐殺シーンも地味にエグいが、最終的には人間も次々に殺されるので釣り合いが取れている(?)のかもしれない。
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