晴れない空の降らない雨

アバローのプリンセス エレナ/ソフィアのペンダントの晴れない空の降らない雨のレビュー・感想・評価

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 『ちいさなプリンセス ソフィア』中のエピソードとして放送されたが、全3シーズン放送された『アバローのプリンセス エレナ』の0話でもある。
 この『エレナ』はちびっ子向けながら結構見所がある。何と言ってもラテンアメリカに取材した世界観がよい(死者の日などの行事、ピラミッドなどの歴史的建築物、神話や伝承にインスパイアされたエピソードや魔法生物)。また、主人公のエレナや脇役のキャラもよく出来ていて、毎話気持ちよく観られる。
 
 ディズニーの長編アニメーションのファンとしては、興味深い作品でもある。まず、プリンセスものながら、最初から女王が意識されていること。開始時点でエレナは16歳だが、エピソードの多くはエレナの女王修行につながっている(同時に子どもに対して教育的でもある)。この点は『アナ雪』(特に2作目)と並行関係が見出せる。
 またかなりの武闘派で、人間のヴィランを直接殺害する稀有なプリンセスである。過去にはムーランしかいないのではないか。ムーランも「吹っ飛ばした」という感じだが、こっちはもう思いっきり魔法をぶつけて消滅させている。
 主人公が恋愛をしないことも、エルサやモアナやラーヤといった近年の長編主人公と共通している。