てっぺい

Gメンのてっぺいのレビュー・感想・評価

Gメン(2023年製作の映画)
3.5
【天役映画】
主人公と、それを演じた岸優太のキャラのリンクぶりが奇跡。天職ならぬ“天役”で、彼の演技力の高さにも驚かされる。占いで出たという2023年“岸の時代”の当来を本気で予感させる一本。

◆トリビア
○ 今作は企画の段階から「主役の門松勝太は岸優太以外考えられない」と言われていた。それだけ、岸と勝太のイメージがピッタリ重なっていた。(https://more.hpplus.jp/entame/people/104202/)
原作者の小沢としおも「岸くんは勝太を演じるために生まれてきたのではないか」と語る。(https://g-men-movie.com/gallery/)
〇岸優太は本作が映画初主演。フジテレビ『突然ですが占ってもいいですか?』では星ひとみから、「2023年から“岸の時代”。演技で主役、その流れにもっていける」と鑑定されていた。(https://www.cyzo.com/2022/09/post_320295_entry.html)
○ King & Prince平野紫耀と神宮寺勇太は、グループ脱退、ジャニーズ事務所退社済みだが、岸優太は本作のプロモーション活動が終わる2023年9月末で退社予定。(https://encount.press/archives/490540/)
〇撮影の合間でもテンションを保ち続けるため、出演者による一発ギャグの応酬が行われていたという現場。岸優太によるそのうちの一つ「Gメンギャグ」は「かーめーはーめー背水の陣!」(笑)(https://moviewalker.jp/news/article/1149035/)
〇「岸優太を困らせてほしい」が監督の演出の一つ。勝太は、1年G組への編入など予想外の状況に困惑する役柄。岸と竜星涼の共演シーンでは、竜星にそう指示を出し岸を困らせて、勝太とシンクロするように仕掛けた。(https://getnavi.jp/entertainment/896564/)
竜星曰く「こんな役者、なかなかいない。本人がただただテンパっているんだけど、それが面白いし、魅力的だし、勝太のキャラクターにすごく合っています。」(https://m.crank-in.net/interview/132105/2)
現場では“その場”で次々とアドリブが生まれ、演者もそれを楽しむアドリブ合戦に。監督がカットをかけずに役者を泳がせる場面も多々あったという。(https://more.hpplus.jp/entame/people/104203/1/)
○ 当初、EXIT兼近が出演予定だったものの、新型コロナウイルスへの感染によってスケジュール調整が困難となり急遽降板。りんたろー。が代役として起用された。(https://geitopi.com/ジャニーズ/exit兼近大樹が新型コロナ感染で映画『gメン』降板/)
○りんたろー。は、自身より22歳年下の役を演じるにあたって、美容針を2万5000本打って臨んだ。(https://encount.press/archives/500973/)
○作中には、りんたろー。が骨折した足を間違えて演じているシーンが一つだけある。(https://encount.press/archives/500973/)
○最後の格闘シーンは、期間が空いて撮影された。りんたろー。はその間結婚し体重が増え、そのシーンだけ体がバカデカい。逆に役作りで10キロ増量して挑んだ矢本悠馬は、他作品との兼ね合いで体重を落としており、そのシーンだけ小さくなっている笑。(https://encount.press/archives/500945/)
○肝田を演じた矢本悠馬は、本当は役者ではなくお笑いをやりたかった事を告白。「M-1グランプリ」に出たかったという。(https://mdpr.jp/interview/3914083)
○矢本悠馬曰く、瞳先生からビンタを受けるシーンでは、吉岡里帆に手加減せず思いっきりやるよう伝えたところ、棒で殴られたような衝撃で頭がくらっときたそう。撮影の都合でそれを3発くらう必要があり、体が硬くなったという笑。(https://iam-iam.jp/26306/)
○伊達薫を演じた高良健吾は、役作りでキックボクシングに通い、校舎の屋上からの飛び降りのシーンもスタンド無しで本人が行った。(https://screenonline.jp/_ct/17650506/p4)
○ロケ地は、鎌倉湘南のVenus Cafe、銀座のラーメン店「松富」の路地裏、埼玉県深谷駅など。(https://entame.blog/gmen/)

◆概要
【原作】
小沢としお「Gメン」(「週刊少年チャンピオン」2014年52号〜2018年18号で連載)
【監督】
「おっさんずラブ」シリーズ 瑠東東一郎
【出演】
岸優太、竜星涼、矢本悠馬、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。、小野花梨、吉村界人、星田英利、落合モトキ、後藤剛範、高良健吾、大東駿介、吉岡里帆、尾上松也、田中圭
【主題歌】ザ・クロマニヨンズ「ランラン」
【公開】2023年8月25日
【上映時間】120分

◆ストーリー
4つの女子高に囲まれた私立武華男子高校に、「彼女を作りたい」という理由だけで転校してきた高校1年生の門松勝太。しかし彼が入ったクラスは、校舎から隔離され教師たちも怯える問題児集団・1年G組だった。勝太は荒れ果てた教室やクセの強いクラスメイトたちに驚きながらも、恋に友情にと楽しい日々を過ごす。しかしそんな彼らに、都市伝説と化している不良グループ・Gメンが死闘の末に潰したはずの凶悪組織・天王会の魔の手が迫っていた。


◆以下ネタバレ


◆門松勝太・岸優太
企画の段階から、勝太を演じるのは岸しかいないと言われていたそう。なるほど、“女を殴るほど腐っちゃいねえ”な真っ直ぐさもキマっていたし、アクションも思っていたよりキレッキレ(ラスト付近で見せた、デスクに滑り込みながらの回り込みキックには驚いた)、そして何より、彼のどこか抜けている愛されキャラが勝太にピッタリ。なんなら勝太優太と名前の語呂も合っている笑。天職ならぬ“天役”が彼に回ってきたとすら思うほど。凄む表情から笑顔、アドリブだろう細かいセリフの挟み込み方まで(瞳先生にビンタ張られまくる表情もよかった笑)、彼の演技力そのものにも驚かされた。「2023年から岸の時代」と占われたのは伊達じゃないかも知れない。

◆アドリブ
「おっさんずラブ」にも多用されていた、瑠東監督による出演者のアドリブ演出は、本作ではより際立つ。初めてのG組で、肝田から舐めまわされるように顔を近づけられた岸は素で笑っていたし、瀬田の部屋で「そこ食いつく?」と返したセリフは流れが至って自然。”岸優太を困惑させる”事で彼から出てくるアドリブに期待したと監督が話す部分が随所に見られた。ただ、本作はその威力を圧倒的に上回る俳優が。瞳先生を演じた吉岡里帆が見せた「どこの国民的美少女捕まえてババアっつってんだアア〜⁉︎」からの肝田ど突きまでの一連は、彼女にしか作れないインパクトでもう大手を振って賛美を送りたい。勝太と瀬田に泥酔ビンタを張りまくる一連も含めて、どこまでがアドリブが分からないほど自然でかつ存在感がピカイチ。主役を完全に食う勢いだった。

◆アレンジ
原作全18巻を取捨選択してまとめるというよりは、遊びを加えてよりコメディに振り切った感のある本作。前述の瞳先生が振り切り過ぎてキャラ爆発、瀬田もボケが多くて、2人が惹かれ合う説得力は欠けてしまっていたか笑。個人的に神回な“肝田無双”がラストでのロメロスペシャルからパロスペシャルと、武藤敬司のモノマネつきでアレンジされていたくだりにはニヤリ。間宮祥太朗が同じ小沢としお原作のナンバMG5からクロスオーバー登場するサプライズも。EXIT兼近の“ウザ越ダル一郎”には笑ったw。色々笑わせてもらったが、エンドロールでの勝太とレイナのカットのかからないくだりは、やはり監督が岸優太のアドリブを引き出す演出を通した本作の一貫性の表れ。同時に、あれが門松勝太とも岸優太とも取れるシンクロを見るようで、“天役”に辿り着いた彼と本作の奇跡、そのラストとしてとても相応しい演出だと思った。

◆関連作品
〇「Gメン」
原作漫画。全18巻で、最終話は全員集合の後日談。ebookで第3巻まで無料で読める。
(https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/307904/)

◆評価(2023年8月25日時点)
Filmarks:★×4.6
Yahoo!検索:★×4.5
映画.com:★×5.0

引用元
https://eiga.com/movie/96500/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/Gメン_(漫画)
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