ふたりのささやかな暮らしの様子がとても細かく映し出されていて見入ってしまった。
人生半分くらい諦めてたような2人が、無理やり結婚させられて、だんだん夫婦になっていく様子が、貧しいのに幸せで、あったかい気持ちになる。
わたしたちは生きるために食べ、食べるためにお金を稼いだり、作物を育てたりする。
文明にまみれた今の私の生ではなかなか気づかないけれど、人間はすべて、生まれて食べて休んで死ぬだけなんだと痛感した。生に意味なんかたぶんない。
でもそんな無情な営みの中に、ささやかな想いや慈しみが生まれるから、そういうものを掬いあげて大切にしたい。
本当はきっとそういうものだけでいい。
周りの人達は総じて2人のことを馬鹿にしていたけど、お金と見栄に踊らされて人を人と思っていないような振る舞いを見ていると、彼らの方がよっぽど馬鹿みたいに見えた。
でも今の自分はそっち側に近い人間だとも思う。
誘惑の多い世界だけど、本当に大切なものを見失いたくない。
何回でも見たい。良い映画でした。