Blue

小説家の映画のBlueのレビュー・感想・評価

小説家の映画(2022年製作の映画)
4.5
めっちゃ面白い。面白いけどホンサンスの作品を初めて見る方にはこの作品はオススメはできません。できれば逃げた女やあなたの顔の前にという作品を見た後に鑑賞してもらえれば、この映画が倍、面白く感じられると思います。

冒頭の30分で面白くなければもしかしたら苦痛かもしれません。ただ面白ければ最後まで面白く見れると思いました。
主人公が後輩に会いに行って、なにやら店の中がうるさい。なんだなんだと思いつついつもの長回しで会話劇が淡々と映し出される。毎度の事ながらこれは俳優にとって大変なのか、楽しい事なのか考えながら見る。

次のシーンで映画監督に会う。ん?これはもしかしたらあなたの顔の前にの続編なのか?と錯覚してしまうのだけど、そんなわけないかと思いつつ、ひょっとしたらこの二人は不倫していたのかな?と考えたりする。ここから見ている側は色々と考え始める構造になってくる。

散歩のシーンで、なるほどこの主人公は意見を曲げない上に正しいと思ったら激昂するタイプかと思いつつ、そら角に隠れるわな〜とニヤニヤする。わかるわかるよ〜休みの日に会いたくない人にあったらそうなるよね〜と思ったり。

この時の映画監督の妻の表情が本当に面白くて、会話してる最中にウザって〜なコイツという顔と仕草をさせて鑑賞している側の意識をそらしてくるし、この後の会話のシーンでも同じような事が起きて鑑賞者を会話に集中させようとせずにしてきて、いなくなったと思ったのに再びというところは、もう爆笑してしまった。なんだそれ、だから一体なんなんだ、と。
もうこうなってくるとホンサンスの手中にハマったのも同然で、店員のあなたのファンです〜、あなたの作品全部持ってます〜というシーンもお調子者だなという事がわかるし、そりゃ怒鳴るわな〜と思ったりしました。
映画を作る話で熱っぽく語る割には、、あれ?過程は?そこ大事じゃないの?ドキュメンタリーっぽく撮ってる割にそこは、、っていう流れからのラストで爆笑しました。

意表につく意表。どこかU-NEXTで配信されてるバリーというドラマに通じる面白味がありました。
鑑賞後、キムミニという女優の作品を探してるとなんとホンサンスと不倫してずいぶんバッシングされたという記事を読みました。

結局それかーい!!そんなもんプライベートでやれや、映画にすんなやっていうツッコミを入れつつ、いや〜面白い時間を過ごせたな〜と満足感に浸る事ができました。
今年のベストテンに入れたい一本でした。
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