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ラルフ一世はアメリカンの一人旅のレビュー・感想・評価

ラルフ一世はアメリカン(1991年製作の映画)
4.0
デヴィッド・S・ウォード監督作。

ウェールズの作家エムリン・ウィリアムズによる1980年発表の小説「Headlong(大慌てで)」をデヴィッド・S・ウォード監督が映像化した異色コメディで、ジョン・グッドマンが英国国王に即位したアメリカ人を演じます。

集合写真撮影の際に起きた感電事故によって英国のロイヤルファミリーが一度に全滅してしまったことから、王族の血を引く売れないピアニストのアメリカ人:ラルフが新国王に即位することに…というぶっ飛んだシチュエーションのもと繰り広げられる“王室コメディ”です。

英国の王族が一瞬で全滅するという不謹慎極まりない冒頭で始まる本作は、王族の隠し子である名もなき中年巨漢アメリカ人が新国王となって繰り広げる騒動を描いたコメディ映画です。英国王室の歴史と伝統に、ザ・アメリカ人のラルフ新国王が新風を吹き込んでいく様子をユーモラスに描いた作品で、バッキンガム宮殿を自分好みの内装に模様替えしたり、外交上の大切な舞踏会で大失態をしでかしたり、夜な夜な宮殿を脱出して街に繰り出したり…と王室とは無縁に生きてきたゲスな新国王ラルフが繰り広げる一連の騒動を、労働者階級の英国娘ミランダとの身分差の恋のゆくえや国王の教育係であるウィリンガム卿との友情の形成、そして王座奪取を企む老上院議員の奸計を織り交ぜながら描いています。

主演のジョン・グッドマンがひょんなことから新国王に即位するアメリカ人を好演していますし、国王の教育係役でピーター・オトゥール、国王を陥れようと暗躍する上院議員役でジョン・ハートら大御所が脇を固めています。
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