みむさん

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュのみむさんのレビュー・感想・評価

3.5
これも映画祭見逃し作品。「モーリタニアン 黒塗りの記録」を同じ立場の別の人の周囲の視点からコメディふうに描いた映画で面白かったしちょいちょい笑ったが、この事実は笑えない。

ドイツで暮らすトルコ移民クルナス一家の長男ムラートが旅先のパキスタンでタリバンの嫌疑をかけられ、グァンタナモに送られてしまう。
ニュース等で報じられ他の映画でもあった通り、無実の者が米国の都合のいいこじつけみたいな理由で非人道的扱いや拷問を受けたという。

息子がそんな目に逢うなんて。
顔振り撒き底抜けに明るい母ちゃんが一人になると泣いてて辛すぎる。
あの母ちゃんの明るさは元々の性格ももちろんあるかもしれないが、空元気だったんだろうなと思うと胸が痛い。

疑わしい者は調査する姿勢はわからなくもないが、この場合完全にやりすぎ行き過ぎ、米国に都合の悪いことは葬られ、不条理すぎて絶句。

クルナスさんの場合も全面的によかったねとは言えず、後味悪く、今も引きずる事実に凹む。

タイトルの意味は観る前は「?」だったがそういうことだったのね。

クルナス母さんとナイスなコンビのあの弁護士を演じたのはアレクサンダー・シェアー。
「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」の監督主演コンビの映画だと知ってたから出てるのは知ってたが、またしてもイメージ違いすぎてビックリ。
「異端児ファスビンダー」ではアンディ・ウォーホル役やってて、これまたイメージ違ってたな。