地底獣国

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュの地底獣国のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

長男が不当拘束されグアンタナモへ送られたという、非常にシビアな出来事を扱った映画ながら、主人公ラビエ・クルナスの体格と天然で暴走気味のキャラによって重苦しさが上手く緩和されている。ツッコミ担当的な弁護士ドッケとの関係性が、前半は押しかけ依頼人ラビエに振り回されグイグイ押されていたのが徐々にバディ的にシフトして行くのもgood👍

そのようなユーモラスな語り口で明かされるのは、アメリカ側もドイツ側もムラート(ラビエの長男)を「こいつどうやらシロだな」と判断したにも関わらず政治的思惑で、すなわち「一旦テロリストもしくはそのシンパとしてのイメージがついた人物をドイツに送り返す事で波風を立てて選挙に不利な要素となる」のを嫌って5年間勾留を続けていたという胸糞な事実。いやホント、この依頼人-弁護士コンビでなかったら途中で心が折れてたんと違うか。

終盤に半年ほど間が空いたと思ったらムラートと再開する場面になってるんで面喰らったが、アレは情報未公開の部分があるって事なんやろか?

そして本編の最後に流れるスーパー「2022年1月現在グアンタナモに39人が収容されている」「世論調査ではアメリカ国民の56%が収容所の存在を容認している」に愕然。もしや「嫌疑をかけられる対象はムスリムだから」「アメリカ国外でやってる事だから」関係無い思とるんと違うか?そんな輩には大音量でマルティン・ニーメラーの言葉を聞かさなあかんな‼︎

おまけ:オトンもなんか料理作ったげて。
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