社会のダストダス

午前4時にパリの夜は明けるの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

3.8
午前4時にパリの夜は明ける

職場が家から歩いて10分なことを良いことに、仕事のあと軽く仮眠のつもりが午前4時に目が覚めたことがあった。そんな気力がすり減り日々癒しを求める今日このごろ、なんだかよさげな邦題に惹かれての鑑賞。まあ自分が観た回は、横からスマホの光が差して来たり、後ろからいびきが聞こえてきたりと、なかなかカオスな回でした、みんな疲れとるんだな。

1980年代パリ。結婚生活が終わり、二人の子供を養うことになったエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)は深夜ラジオの仕事に就き、そこで出会った家出少女タルラ(ノエ・アビタ)を家に招き入れる。

期待通り(?)特に何も起きない静かな映画。厳密には夫との別れや新たな出会い、子供たちの自立、タルラの抱える問題などなどがあるけど、あまりフォーカスせずにただ家族の日常を追っていく。少し幸せな時もあれば悪い日もある、天気のように移ろいでいく7年間。

色んな人のレビューを眺めていて思ったけど、こういう雰囲気のおかげか、普段より詩的なレビューが多い気がした。観る者をそんなセンチな気持ちにさせる映画。シャルロット・ゲンズブールの朝の陽ざしのような笑顔が印象的、あとタルラの子が可愛い。