hydrangea

午前4時にパリの夜は明けるのhydrangeaのレビュー・感想・評価

4.1
絶望や悲しみや辛さを払拭するには、淡々と生きていくことだと、『サマーフィーリング』や『アマンダと僕』で示してくれたミカエル・アースは今作も同様、メソメソ泣きつつも新しい出会いの波に乗って生きていく主人公を暖かい眼差しで描く。
穏やかに流れる時間を丁寧に優しく過ごすのが大切なのだ。

登場人物の女性たちの声が、特徴的で印象に残る。
この作品がオマージュを捧げるパスカル・オジェも個性的な声と話し方だった。
25才で亡くなった彼女を引き合いに出すことで、死んだら終わりなんだというメッセージにも感じた。

この監督は都市の公園の芝生や屋上の空間を撮るのが好きなようだが、田舎の風景も味わい深かった。

私も1980年代をパリで過ごしたので、個人的な感情がぶわっと湧いてきてしまった…『満月の夜』もパリの映画館で見たし…
ビュル・オジェの自伝、J'ai oublié をAmazonで注文した。
hydrangea

hydrangea