ジョー

午前4時にパリの夜は明けるのジョーのレビュー・感想・評価

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『アマンダの僕』でもそうだったが、ミカエル・アース監督の作品には、さりげない優しさで溢れている。
 本作のシングルマザーの一家にしても、家族同士のいざこざが絶えないのだが、ここぞという時に優しさが滲み出る。家出少女を家族のように大切にする姿は、『アマンダの僕』で、亡くなった姉の娘の面倒を看る弟の姿を彷彿とさせる。困っている人がいたら、即座に救いの手を差し伸べる、ミカエル・アース監督の温かい演出が光る。
 シングルマザー役のシャルロット・ゲンズブール、彼女のパート先であるラジオ番組のDJ役のエマニュエル・ベアールといった豪華女優陣に支えられ、貧しくとも懸命に生きる家族の姿が印象的だ。
「私たちはいつもすばらしき他人」
 自らの家族をそう評したシャルロット・ゲンズブールの言葉が、いつまでも心に残る。
ジョー

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