るるばー

遺灰は語るのるるばーのレビュー・感想・評価

遺灰は語る(2022年製作の映画)
4.1
シチリアへ遺灰を届ける道のりはどこかユーモラス。事件とは言わないまでもちょっとした出来事でなんだかうまくいかない。人生のうまくいかなさをこんなに美しくおおらかに見せてくれる御年91歳のタヴィアーニ監督、すばらしいな。他の作品も絶対に観ます…

貨物列車の中のシーンがとても好き。無表情に踊り続ける男女、3連符のような列車のリズム、古びたピアノの音色で次々と目覚める乗客たち、モノクロームで描き出されるなんということもない光景の豊かさよ。

唐突に始まるエピローグ部分。パンフレットで少年の行為について監督は「あの少年だけが知っている真実があって、それは彼にしか分からない」と述べていてとても腑に落ちた気がしました。印象的なon purposeという台詞について語られているので映画を観た方はぜひ一読を。
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