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遺灰は語るのmaccouqのネタバレレビュー・内容・結末

遺灰は語る(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

遺灰を故郷シチリア(の岩の隙間にまいてほしい)に埋葬してほしいというノーベル賞作家のピランデッロの遺言、ムッソリーニに利用された遺灰はシチリアへ帰る旅をする。遺灰はギリシャの壺に入れられ、飛行機の搭乗拒否され、子供用の棺に入れられ葬送され、小さすぎる箱に入れられようやく埋葬される。箱に入りきらなかった遺骨は海へ、この時ようやく、ピランデッロの遺志に従ったものだったような。モノクロの画面からカラーの美しい青い海。
そしてピランデッロ最後の作品「釘」の映像。釘が落ちていたから、少女を殺したイタリア移民の少年は何十年もその少女の墓に参る。
灰になった偉大な作家の決して丁寧ではない灰の扱いと、名もない少女の朽ちていく墓に参り続ける殺人犯の老人となった男。
なんとも言えない後からじわじわとくる作品だった、最初のシーンからカメラが見事だった。
最初の兄、ビットリオに捧ぐ、91歳弟パオロ・タビアーニの作品
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