みむさん

The Line(英題)のみむさんのレビュー・感想・評価

The Line(英題)(2022年製作の映画)
3.3
テッサロニキ映画祭にて。

母と娘の見えない壁と、接近禁止令の100メートル境界線を表すThe Lineかな。
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが一線から退いたミュージシャン兼母親役で出ている。

家族ドラマだがスポットが当たるのはすべて女性。出産でキャリアを断たれた母、望まぬ音楽性を求められる娘、妊娠出産で忙殺される娘、ピアノ教師でもある奔放な母の反動から全く別の歌唱に目を向ける娘。

母クリスティーナに暴行を働いたマーガレットは接近禁止令を言い渡される。
マーガレットがとにかく素行がよろしくない。大人しく禁止令が解けるの待てばいいのに、あれだけ暴れといてやっぱり家族と接したいらしい。
そうこうしているうちに妹に歌を教え、自身もミュージシャンとして再起しようとする。
母クリスティーナもちょっとクセあり、子供の前で若い恋人とイチャつくのを見せつけたりり気性も荒く、見てる側からするといかにも似た母娘。

母娘の間にいつのまにかできた見えないラインと物理的に越えられない100メートルラインまわりの葛藤と感情の爆発多めのドラマは、問題あってもやっぱり母と娘よねって話に落ち着きはするものの、クリスティーナやマーガレットの心境の変化がいつの間にか来ていた感じがしてしまった。

母と姉の間で板挟みの三女のマリオンが健気だった。

マーガレットを演じたステファニー・ブランシューはミュージシャンとしても活動しているらしい。