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息子のまなざしのものレビュー・感想・評価

息子のまなざし(2002年製作の映画)
4.0
職業訓練校の講師オリヴィエの元に、息子を殺害した犯人である少年が来た…
ところから始まる物語。

タイトルにもある『息子のまなざし』わたしには、亡くなったオリヴィエの息子さんが、(触れる事が叶わぬ父の背中を)じっと見続けているように感じました。

『教えるのが好き』家庭に問題ありそうな少年達を淡々と指導し、でも決して見放さない、そんなオリヴィエの姿勢に心打たれました。

息子を殺害した少年が、第2の父親みたいに慕って来るのを、感情に任せて全てを晒し、突き放す事だってできるだろうけど、何だかんだ面倒見てしまうのも(アップルパイは奢らないけど)この少年もまた、貧困や親、環境の被害者である事を知ってるからなのでしょう。過去を責め立てるよりも未来へ目を向け、自立させてやらねば、という使命感を感じました。

ラスト近くでは少年も、目の前の『先生』が被害者の父親であったことを知りますが、これをきっかけに、心から自分の過ちを悔いて、過去と向き合って行くのではないかな。そんな予感のする終わり方でした。
良かったです。
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