ろくちゃん

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのろくちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

ユーロスペースでの試写会で鑑賞。

60年代のアメリカを舞台に法的に禁止されていた人工中絶を密かに行い、12000人の女性を支援した団体(ジェーン)の実話をもとにした作品。

主人公のジョイ自身がやむにやまれぬ事情で非合法の人工中絶を利用したことがきっかけとなり、自ら人工中絶の施術をする側になるところが驚きだ。
(もちろん、彼女は医師免許を持っていない)

劇中では驚くほど淡々とストーリーが進むため拍子抜けする。
例えば、主人公のジョイがなぜ人工中絶の施術をするに至ったのかも良くわからない。
強い正義感からか(ただし、彼女は高額の料金を妊婦から貰い続けている)、お金儲けのためか(彼女の夫は弁護士だし、金欠の描写は全くない)、ただの自己実現のためか。

人工中絶といういまだに是非が分かれるセンシティブな問題であるため敢えてぼんやりとさせている部分もあると思うが、かなり映画としては不完全燃焼な印象。
時々ポップソングで盛り上げようとするが、それも画面とあまり調和が取れていない。

ただし、「女性が自分で自分の身体の決定を行うべき」という非常に重要なテーマを扱った作品。