けんぼー

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのけんぼーのレビュー・感想・評価

4.3
この作品が現代のアメリカで制作・上映されたことの意味を噛み締めつつ、じっくり鑑賞しました。徹頭徹尾、女性の立場・目線から紡がれるストーリーは、しかし、ほんの半世紀程前まで彼の国に実在した社会をほぼありのままに描写したそれであり、不穏にも今またそこに回帰しようとしているそれです。途中、何度か「でもなあ、生まれていなくても、できたばかりでも、やっぱり命は命だしなあ…」という考えが時々頭をもたげてきましたが、その度に「それはお前が男性だから軽々にそう言えるのでは?」という問いを突きつけられた気がしてざわざわしました。深くて重いテーマを扱った映画でしたが、全編を通じて流れる60’sソングたちが程よく色を添えてくれたおかげで、いい意味での軽快さも醸し出されています。
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