悪魔の毒々クチビル

MEG ザ・モンスターズ2の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)
3.8
シン・メガ・シャークvsジャイアント・オクトパス

メガロドンが性懲りもなくジェイソン・ステイサムに挑んで殺されるお話。


今月は非常に忙しかったので、これしか劇場で観られなかったよ。
監督をベン・ウィートリーにバトンタッチして作られた今作。
「誰だこの監督?」と思って調べたら「サイトシアーズ」「ハイ・ライズ」「フリー・ファイヤー」と意外と作品観ていました。
前作はステイサムとクオリティ高めのメガロドンは良かったものの、残酷性とか物足りない要素も多くて消化不良な作品でしたが、今回はどうか。

前よりは面白かったです。
オープニングの古代弱肉強食シーンからの、QUEENの"Under Pressure"をバックに出てくるステイサムに意表をつかれましたが、歌詞もある意味では合っているっちゃいるしね。
そのまま何故か船内でのアクションに発展して「あれ?エクスペンダブルズ4かな?」とね、サメとかどうでも良いからこのままイコ・ウワイス出てこないかな~、とかぼんやり思うもそれはね、我々日本国民は来年まで待たなければいけませんからね。チックショー!!!

そんな訳で前作あんまり覚えていないんだけど、流石に勿体ないと思ったのかチラホラとステイサムのアクションシーンも追加されていて嬉しかったです。
まぁメインはモンパニなので一応悪役も因縁ある強キャラっぽいのが出てきますが、大して魅力は無いです。
というか脇役が本当に印象に残らない。
前作から続投しているキャラ以外はほぼ死に要員。
仲間たちも何か喋っているんだけど深海探査用のスーツで誰が誰だか分かり辛いし、そこで悩むまでもなくさっさと喰われていくので色々な意味でお気の毒でした。

肉弾戦によるアクションを取り入れながら、ウー・ジンも折角出演したのにこれと言った格闘はなく、まぁまぁウザいキャラだったのも勿体なかったです。
あ、前作でリー・ビンビンが演じたヒロインは何か死んだ事になっていました。
そんな訳で残された娘の親代わりがステイサム演じるジョナスなんだけど、こっちもあんま好きになれないキャラだったので親子要素も刺さらず。

脚本は下手したら前作以上に酷くて、全体的な台詞のクサさも然ることながら途中で現れた裏切り者が動機含めただただ陳腐でしかなく、しょうもなさ過ぎてちょっと寒気がしました。
まぁモンパニ映画だしっていつもなら割り切れるんだけど、ステイサムみたいな存在感が別格な人が主人公だと他のショボい部分がより悪目立ちしちゃうのよね。

だから人間は勿論、メガロドン複数相手にも果敢に立ち向かうステイサムが大画面で観られただけで満足と言えば満足です。
特に最後はもう、爆薬とかにも頼らずシンプルにパワーで仕留める化物っぷりが最高でした。
あとジェイソン・ステイサムがもう56歳なのが地味に衝撃なんですけど。
普通に40代に見えるし、もう長い間見た目も全然変わってない気がします。

メガロドンも前作よりはちゃんと人喰いまくっていて良かったけど、それ以外の深海生物、特にあの群れでやって来たやつは画面外で毎回襲っているしで全然見応え無かったです。メガロドンがほぼ丸呑みしか出来ない分、血生臭い演出はこいつらに掛かっていたのに何だあの有り様は。
逆に銃弾ぶち込めば死ぬ筈だし結構兵士の数も多かったのにアイツらの死体も一切無いのも凄い適当で、そう言う所は悪い意味で相変わらずだなぁと。
終盤のとあるくだりが「ディープブルー」っぽくて期待しましたが、そりゃ生易しい展開になりますよね。うん。

前作同様、一番の見所はステイサムでしたがそれで良いと思うんだ。
鑑賞ポイントが貯まっていたのでタダで格好良いステイサムが観られたってだけでも良かったと思うんだ。