真っ黒こげ太郎

MEG ザ・モンスターズ2の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)
4.5
絶滅したはずの巨大サメ、恐竜、そして―――未知の恐怖。

主役のステイサムさんが種にとって一番の恐怖だと思うんですがそれは…。




前回の件で晴れて「マナ・ワン」のチームの仲間入りをしたレスキューダイバーのステイサムさんことジョナス・テイラー。
環境破壊する悪い連中をとっちめたり、亡くなった(!?)前回のヒロインの弟のウー・ジンさんことジウミンが後を継いで所長になったり、ジウミンが飼育したメガロドンを飼い慣らすために危険な実験をして肝を冷やしたりしながら、マリアナ海溝の底にある未知の世界の調査を続けていた。

ジョナスはジウミンや仲間達と共に未知の世界の調査の為に海底の底へと向かうが、そこでは悪い連中が密かに発掘作業を行っていた。
証拠隠滅の為に悪人達は海溝の発掘現場を爆破し、潜水艇が大破してしまう!!!
しかもその時の大爆発で、200万年前に絶滅したはずだったが実は深海の底に住んでいた巨大サメ、メガロドンの群れがまたしても海面近くへ浮上してしまったのだ!!!!

ジョナス達はどうにかして海溝から脱出しようとするが、悪党達の魔の手は既にマナ・ワンにまで伸びていた!!!
ジョナス達は危険な未知の深海から脱出出来るのか!?そして悪党連中の企みとメガロドンの襲撃を止められるのだろうか!?




200万年前に絶滅した筈の巨大ザメ「メガロドン」を始め凶暴な生物達が深海から現れ、人々を恐怖のどん底に陥れる海洋パニック・アクション映画。
”アクションスターのジェイソン・ステイサムさん対巨大ザメ!!”という対戦カードで話題を呼んだ「MEG ザ・モンスター」のまさかの続編!!!
前回が既に一発ネタみたいな内容だったのでまさかの続編に驚きを禁じ得ないのだが、またステイサムさんが巨大サメに挑むならまたしても見に行かねばなるまい!!!という事で遅ればせながら見に行ってきました。w



前作は魑魅魍魎のZ級が多いサメ映画の中では珍しい大作映画という事で話題になっていたのだが、その割に世間の評価はお世辞にも高いとは言えなかった。
まぁそれでも「ジュラシック・シャーク」や「エクソシスト・シャーク」なんぞに比べれば十分完成度は高いし、個人的には十分楽しめたのだが、どっちかというと賛否両論が多かった感がある。
(比較対象がおかしいw)

強いて個人的に前作の難点を上げるとするならば「真面目過ぎた」。
今では空を飛んだり宇宙へ行ったり他の生き物と合体したりするイカレたサメ映画が多い中で、前作は「”真っ当な役割の登場人物”が”真っ当なドラマの中”で”真っ当なモンスター”」に挑むという感じで「ステイサムさんVS巨大ザメ!」という題材の割にはインパクトが弱かった気がする。


今作のお話も前作とほぼ一緒で、違うのは違法発掘で金稼ぎしてる悪党連中がちょっかいを出して主人公達が海底でエライ目に遭うという点。w
悪人達が追加され、サメの数が増え、他のモンスターが追加された点以外は前作から据え置きで脚本はなぁ~んにも進歩しとらん。w
クライマックスの展開も海水浴場がパニックになり、主人公が巨大サメを食い止めるという、他のモンスター追加しただけでそのまんまな物語が展開!!!当然新鮮味は皆無。



しかし、今作はその前作の反省を生かしてか、かなりはっちゃけたノリになった!!!!
前半こそ真面目にビックリさせたり犠牲者が出てちょっとだけシリアスになったりする場面こそあるものの、前作以上に見せ場満載&見せ場重視になり、ド派手でおバカな脳筋映画になった!!!
その反面、前作以上にお話はいい加減になりましたが。w



今回は前半で主人公達が深海に置き去りにされ脱出する展開と、悪党連中がちょっかいかけてくる展開が追加されている。
正直、この前半部分は割とサメがおざなりで「こんな場面要らんからサメ見せろや!」とサメ映画ファンの人が文句垂れそうと思わなくもないが、悪人共が追加された分ステイサムさんが敵をぶちのめす場面が描かれるようになったのは素直に嬉しい所。
物語早々から悪人のタンカーで大立ち回りを繰り広げ、悪党連中に襲われても持ち前の戦闘力で撃退するステイサムさんの姿は何時も通りとは言え実に頼りになる!!!

更に、前作は頼りになる人がステイサムさんしかいなかったのだが、今回は味方キャラに武闘派な面子が追加された!!!
何といっても相方が「SPL」や「戦狼」シリーズでお馴染みのアクション俳優、ウー・ジンさんという事で(ステイサムさん程ではないにしろ)身体を張ってモンスターや悪人と戦う場面が幾つか展開。
またギャグキャラではあるが、前回は五月蠅いだけだった黒人枠の人が泳げるようになったり「バッドボーイズ」化したりと謎の強化を受け、同じように身体を張って戦ったりする。
基本ギャグキャラ寄りな面子だが、ここぞという時に頼りになる連中で、「本作のステイサムさんにもようやく頼りになる仲間が出来て良かったなぁ…」としみじみ。

少ない酸素の中で海底を歩かなければならないという一見緊張感と絶望が漂う場面もあるが、一緒に歩くのがステイサムさんとウー・ジンさんなので、めっちゃ頼りになる気持ちが勝つ。
(まぁ、それでも死人が出たりするが…。)
ついさっき海底水圧で死人が出たにも関わらず、ステイサムさんは普通に生身で潜る場面(!?!?)が描かれ、しかもその直後に倒れても目を覚まして早々に目の前にいる悪党と殴り合ったり(!?!?!?)と、もう既に巨大サメより人外過ぎる。w

そんなこんなで前半部分からステイサムさんの超人っぷりを存分に発揮しておりサメとか抜きにして楽しんでしまった。
まぁ、CGのサメだけじゃなくてアクション俳優の生身のアクションも観たほうが楽しいのでこれは正しい判断でしょう。


後半からは前作のクライマックス同様、巨大ザメと主人公が戦いを挑む展開だが、今回はサメの数が増え、他のモンスターも増え、戦える味方も増えたという事で、前作以上の大お祭り騒ぎ!!!!
ステイサムさんは前作以上に無茶苦茶なやり方でメガロドンを倒してゆき、ウー・ジンさんや仲間達も他に出てきたモンスター相手に大立ち回りを繰り広げる!!!!

見た目の割に役に立たない悪党兵士、無理がありすぎるヘリの給油方法、ステイサムさんとメガロドンのダブルアサルト(!)に、力推しすぎる最後のメガロドンの倒し方、金をかけてちゃんと描かれた「メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス」等、ぶっ飛んだ見せ場のオンパレード!!!!

モンスターや悪人が増えたという事で、単純に人が食われる場面も増えたので前回の消化不良感が改善されたのも地味にポイント。


という事で、今回はケレン味に溢れた方向に舵を切りはっちゃけまくって「楽しさ」を追求したおバカ映画となった本作。
前作よりコミカルな要素も多めで、前作がやや堅苦しいと感じた人も今作で不満が解消されるのではないでしょうか。


不満点としては、前作から続投しているヒロインの娘が、やや勝手な行動をする場面が増えて少々鬱陶しく思えたのがやや残念。
ヒロインの意思を継いでると言えるが、それならそれでもうちょっと現場を振り回さないようにして欲しかったかな…。

後、悪党連中も基本的にモンスターに喰われてくれるんですが、基本的にイヤ~な連中多めだったので一撃で食われるよりはもっと痛い目を見て欲しかったですね。
女ボスや海底爆破したヤツ等、リーダー的ポジの人は酷い死に様をするんですが、どうせなら全員ステイサムさんが倒してしまっても良かったんじゃないかなと思ったり。w


まぁ細かくアレコレを語ってきましたが、ツッコミ所なんざそこまで深く考える必要はない。難しい事はどうだっていい。
巨大ザメや他の怪物以上にモンスターな(爆)ステイサムさんの大活躍とモンスターパニックのワチャワチャ騒ぎを楽しめる、前作以上に超☆スペクタクルで超☆エキサイティングなケッ作です。


因みに原作小説はまだまだストックがあるみたいなので、低予算Vシネマ墜ちとかしないようならば是非この調子でシリーズ化をお願いしたいですね。
今度はメガロドンサイズの巨大ワニやサメ型ロボ、巨人型兵器とかを出して欲しいぜ!!!w
(何処の便乗映画製作会社だ)
無論、ステイサムさんは続投で。w