ぶみ

レストレスのぶみのレビュー・感想・評価

レストレス(2022年製作の映画)
3.0
〜Sans Répit〜

レジス・ブロンドゥ監督、脚本、フランク・ガスタンビドゥ主演によるフランス製作のクライム・サスペンスで、キム・ソンフン監督による2014年公開『最後まで行く』のリメイク。
人を轢いてしまった刑事が、事故を隠蔽しようとしたところ、見知らぬ男から、全て知っている旨の電話を受けたことから巻き込まれる騒動を描く。
間もなく公開される日本版リメイクに備え、オリジナルは鑑賞済み。
主人公となる刑事をガスタンビドゥ、彼の行動を観ていた男をシモン・アブカリアンが演じているが、主人公がスキンヘッドであり、オリジナルとはかなりイメージが違うが、どこかで見た俳優だなと思っていたところ、『TAXi ダイヤモンド・ミッション』で監督、脚本、主演を務めたガスタンビドゥと判明。
結論から言うと、本作品は良くも悪くもNETFLIXクオリティ。
ビルの屋上のシーンがコインランドリーになっていたり、主人公の乗るクルマが、キアからBMWになっていたりと、細かな設定変更はあるものの、物語の展開は、概ねオリジナルをトレース。
ただ、オリジナルで迫力満点だったタクシーを追うカーチェイスシーンが見受けられなかったのに加え、ラストについても、爆発からそのままバトルをしてあっさり終了と、オリジナルが約二時間の尺であったのに対し、本作品は95分と、肝心のシーンがカットされているとともに、全体的に味付けが薄めとなっていることから、到底オリジナルの面白さに届いておらず、映像も劇場クオリティではなく、いかにもネトフリドラマだなという印象は否めない。
そのため、最初に本作品を観てしまうと、何故この作品が、各国でリメイクされているのか不思議になるほど。
オリジナルが、数多ある韓国のクライム・サスペンスの中でもキラリと光るものがあったのに対し、本作品はオリジナルの良いところがスポイルされてしまっており、普通の作品に成り下がってしまっている一作。

闇は関係ない、友よ。
ぶみ

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