悪魔の毒々クチビル

Studio 666 スタジオ666の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

Studio 666 スタジオ666(2022年製作の映画)
3.7
新曲が完全にメタル寄りだったのは皆さんそれで良かったんですかね?

Foo Fightersが呪われたスタジオでレコーディングしたら案の定えらいこっちゃなお話。

Foo Fightersのメンバー全員が本人役で出演しているホラーコメディです。
原案はデイヴらしい。
俺は昔何曲か聴いた事あるくらいで、"Everlong"のテッテッテッテッテッテッテレレってリフ格好良いよねくらいしか言えないんだけど劇中でデイヴが「こんなのどうよ?」って弾いてテイラーに「それEverlongじゃん」って言われていたシーンがあってニッコリ。

Foo Fightersクラスのバンドがこういう作品に出るって、どうなるんだろうなと、何となく色々と緩い作風になるんじゃないかなとかも思っていたんですけどこれがめっちゃゴアい仕上がりで良い意味で驚きました。
冒頭でいきなりジェナ・オルテガが頭部を粉砕される景気の良い始まり方で、ちゃんとそこもしっかりしているんだなと一安心。
それもそのはず、監督は「ハチェット レジェンド・ネバー・ダイ」のBJ・マクドネルって事でトータルでかなりの内臓と手足が吹っ飛びます。
て言うかジェナ・オルテガってマジで最近のホラー映画/ドラマの露出量凄いね。そのまま「ウェンズデー」で大幅に知名度も上がりましたし。まだ観てないけどいつか観ます。

Slayerのケリー・キングも序盤出てきますが、彼は本人役ではないです。
デイヴの言われた通りせっせとドラムを調整する所が地味に可愛かったです。と思ったらまさかの末路で笑った。
因みにメンバーもしっかり死にますが、誰がどんな死に方をするかは観てのお楽しみってことで。
デイヴは早い段階で悪霊に取り憑かれるので性格が荒れるだけでなく、豪快に生肉喰らったりマーライオンみたいにゲロ吐いたりと大暴れで良くも悪くも他のメンバーが浮いている感じはありましたね。
まぁでもファンが観る分には楽しめるのかな。
あとレスリー・グロスマンがまた胡散臭い役で出ています。

気になった点は超シンプルなプロットなんだけど、色々笑い所を作ろうとしたせいか何かダレる。
そのコメディ要素も個人的にはあんま嵌まらなかったのが残念でした。唐突なライオネル・リッチー登場は笑ったけど。
肝心のゴアも若干チープでチェーンソーで二人纏めて真っ二つにされる場面自体は良かったんだけど、死体の人形っぽさがすんごい。そして似てない。
ラストもそれで行くなら元々コメディは向いていなかったんじゃないかって。

それでもゴアい作風のお陰で中々楽しめました。ファンが観たらまた違った感想になるのかしら。
そんなFoo Fightersですが最近テイラー・ホーキンスの死去というバンドの存続危機レベルの悲劇に見舞われてしまい、とても残念ですね……

余談ですが、ケリー・キングの出演もそうだしオープニングクレジットでスコア担当がStone Sourのドラマーであるロイ・マイヨルガなのを知ってびっくりしたし、ギタースタント(多分デイヴがピロピロ弾きまくっていた場面)がスティーヴ・ヴァイ、SlayerのMVにも出演していたジェイソン・トロストがちょこっと出てきたり劇中でSlayerやGojiraの楽曲が使われていたりと割とメタラー受けするネタが多かったです。
更に本編では流れなかった今作オリジナルバンド、Dream Widowの曲も制作されていますがこっちもゴリゴリのスラッシュメタルナンバーでした。
つまり今作は実質メタル映画なのである。