シギ

牛久のシギのレビュー・感想・評価

牛久(2021年製作の映画)
3.0
牛久にある入管施設で、
難民申請中の外国人達が、
日本人にどんなに酷いことをされているのかを、隠し撮りで撮影したノンフィクション映画。


非常にショッキングな内容を含み、
電話音声と、面会室の隠し撮り映像のみで構成されている。

中でもショッキングなのは、裁判で「暴力行為が無かった証拠」として牛久が提出した動画である。

完全に外国人を殺しにかかっていて、
暴力どころか殺人未遂動画である。
片言で「痛い!助けて!息できない!」と泣き叫ぶ外国人を、全裸にして首を絞めて怒鳴り続ける映像は、見ていて辛い。

何が怖いって、
牛久が「この動画なら見られてもOK」だと思っているという感覚のズレと、
じゃあ牛久が見せられない方の動画って、どんなんやねんという底の無さである。

ほんで「おもてなし」の国を謳ってますからね。

これは本当に酷い内容だし、日本人全員が考えるべきことだとは思います。

ただ、
映画として面白いかというと、
この点数でした。

あまりにもストロングスタイル過ぎる。
監督は、もっと奇行や問題行動で世間の目を集めて、編集もブラックユーモアや皮肉たっぷりにエンタメ化するべきだと思う。

多くの目に触れてなんぼの内容のはず。

まさかの日本6館上映で、
はるばる遠方まで足を運んだが、
その甲斐は十分あり、
パンフレットやインターネットで
深く勉強して考える機会になった。
シギ

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