てるる

牛久のてるるのレビュー・感想・評価

牛久(2021年製作の映画)
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2022年に観た作品。

衝撃的すぎてずっとレビューを書けてなかった。
ウィシュマさんの死亡事件や「東京クルド」を観てたので、日本の入管の酷さは知ってたつもりだったけど、想像の遥か上をいく恐ろしさ。

監督が行った隠し撮りは賛否両論あるかもしれないけど、そうでもしなければ明らかにならなかった難民(政府は認めないけど)の人々の人権を蹂躙された姿。

でも何が恐ろしいかって、監督が隠し撮りした映像よりも、入管側が提出した映像のほうが暴力により押さえつけられる映像。

外国人側も撮られていることを知っていてのパフォーマンスと言われるかもしれないけど、そうだとしても余りにも酷い。

これが「おもてなし」を標榜する国なのか。

もちろん日本には怪しい左翼団体が外国勢力のために蠢いていたり、在日特権、スパイ防止法が無いことによるスパイ天国、外国人犯罪者など、懸念点があることは分かる。

それでもこれらの問題は国や政治家が解決すべき問題であって、この映画に出てくるような人達に罪は無い。

彼らのほとんどは国に帰りたくても帰れない、帰ったら刑務所行きどころか殺される危険性も高く、本来なら保護しなきゃならないような人達。

他の国に行くという選択肢もあった中で、日本を選んだという人だっている。

こんな扱い受けたら日本という国、ひいては日本人を憎むようになるかもしれない。
真面目に働きたくても働けず、犯罪に走る人だっているかもしれない。

現に外国人労働者や語学学校の問題などでは働き先や学校で奴隷のような扱いを受けて逃げ出して犯罪に走る者がいるという。

日本のグローバル意識や人権意識の欠如が大きな問題で、一般人のみならず、政治家や公務員にもそういう人達が多数いるのが残念。

世界的にも地位が下がっている日本。
かといって少子高齢化で労働者不足、更には人口減で国内消費だけではジリ貧状態。
それなのに外国人だからという理由でこんな扱いをしていたら目もあてられない。

これは日本人全員が考え、変えていかなければならない問題。
僅か数館だけの上映だったけど、これは多くの人に観て、考えて欲しい作品。

これをきっかけにこの問題について色々と調べるようになったし、政治家たちの外国人に対する考え方も調べるようになった。
残念ながら今は普通に観ることは出来ないようだけど、こういう映画こそいつでも観られるようにして欲しい。
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