骨折り損

ドゥ・ノット・コール 禁断の顧客リストの骨折り損のレビュー・感想・評価

3.4
基本コメディなんだが、シリアスになったりふざけたりを繰り返す感じが、微妙に最後までノリが掴みにくかった。

オープニングのテンポのいいテレアポの様子は気分を上げてくれてワクワクしたからいい導入だった。最初にこんなノリの映画ですよーって提示してくれるのはコメディ映画としては非常に大事だなぁと感じた。肩の力を抜いていいよって言ってくれる優しさというか。

そこからも営業として色々苦悩する男のドラマって軸は分かりやすく、物語に入り込みやすかった。程よい笑いも押し付けがましさなく、好きだった。ただ、テレアポに恨みを持って銃を突きつけてくる爺さんと息子が流石にその犯行の動機にあまり共感できず、そこが後半以降見進める上で気になった。彼らの行動原理がコメディとして割り切れるほど大喜利が面白い訳でもないのが良くない。

この映画、最後まで見ると結局シリアスとコメディの使い分けがいまいち面白さに繋がっていないなぁと感じた。犯人の犯行動機だけでなく、ラストの展開も含めて、もっと無茶苦茶やってもいいところでちょっとお涙欲しがったり、ここは真面目な感じが笑えるシーンのフリになりそうってところで小ボケを決めたり、メリハリが上手くないなぁという印象。

テレアポという多くの人が共感しやすい絶妙な設定はかなり好きだったが、お笑いやるにはシンプルにコメディセンスが足りない気がした。
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