ネコカワイイ

PLAN 75のネコカワイイのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
2.0
自分は合わなかった。

プラン75という面白トンデモ設定に惹かれて見に行ったので、この設定だったらもっと面白くできただろ…というのをまず一番に思ってしまった。
例えばプラン75賛成派と反対派の対立とか、安楽死に対する価値観とか、この制度に対して人物たちはどのような行動を起こすのか、そもそもこの制度ができた背景とかが深く描かれるのかなとイメージしていたので、その辺がさらっと作られているところに違和感を抱いたのかも。

展開に関しても、役者陣の繊細な演技によりそれぞれの思うことやその行動に至るまでの理由はまぁ分かるのだが、すべて予想の範囲内だったというか、見ながら「こうなるだろうな」と思ったそれらがちゃんとその通りになったぐらい予定調和的な展開に感じた。
プラン75が(おそらく)是とされているぐらい狂った世界のお話なのだから、そもそも最初からフィクションとして見ているので、個人的にはもっと驚かされる展開が欲しかったところ。
その割には最後の方だけ急にドラマチックな展開に行くのでそれも冷めてしまった。

展開が読めてしまうという点にも通ずるのだが、テンポが悪く感じて頭で色々予想できてしまう余白があるのも気になった。
「この後どうなるのかな!?」ではなく「またこれか…これは…まあこうなるよね…」というような、没入しにくい構成だったと感じていて、というのも場面が人物によってコロコロ変わるので、それが本当に集中しにくかった。
倍賞さんと河合さんのやり取りとか絶対もっと必要だったと思うのだが、場面がコロコロ変わるのでそこもあまり描かれず。
てか外国人女性の方のエピソード要るのだろうか…。

あとプラン75の死に方雑いな!あんなちょっと体調崩したので点滴打ちますねぐらいの感じで最期なの嫌だな!安楽死が当たり前になってるから工場的な感じになったのかな…。

気になった点ばかりあげてしまったが、とはいえ、見る前はどちらかと言うと「プラン75、あってもいいんじゃない?」派だったのが、自分の大切な人に安楽死を選ばれたら嫌だな…という気持ちも芽生えたので、見て考えさせられなかったわけではない。

ただ映画としては刺さらなかった。
期待していただけに勝手に残念だった。


追記:監督のインタビューを見て上であげた違和感のいくつかは腑に落ちた部分はありました。なるほど、とはなりつつ、映画内ではそこまで読み取れなかったです…。