PERSPECTIVE

PLAN 75のPERSPECTIVEのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.2
タイトルロールまでで最も実現してもらいたくなかった現実を予言してしまってどうなることかと思ってしまったが、結局は杞憂に終わった。これが幸か不幸かは正直よくわからない。

あえて死の存在が希薄なまま淡々と続く日常描写や、群像劇として非常に見やすかった各登場人物の色の出し方など脚本はかなり上質だったが演出の偏った安直さはそれをうまく料理できたとはいいがたく、ちょっと尖ったエンタメ映画ぐらいに落ち着いてしまっている。こんなんでアカデミー賞日本代表とはあまりにも甘やかし過ぎである。監督にも悪影響だろう。

これは洋画邦画問わず言えることだが、とりあえず暗がりを撮影すれば深みが出るだろうと乱発する姿勢は非常に安直でリアリズムを失うものだからマジでやめてもらいたい。夜が美しいのは当たり前である。それを昼の光を加えることで際立たせなければどいつもこいつも同じようなショットになってしまうというのがなぜわからないのか。コッポラやイーストウッドの爪の垢でも煎じて飲んでろ。
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