このレビューはネタバレを含みます
75歳で人生を終了できる権利が与えられた世界。
「権利」とされてるけど、3年経った作中ではそういう建前であたかも「推奨」するような風潮になってきているのが怖かった。
倍賞さんの演技や各シーンの照明、生活感が不気味に感じられるほど聞こえてくる音響がそう感じさせるのかな。
電話越しの電子音声、不動産屋の対応、制度そのものなどなど…丁寧な対応がかえって冷たく感じた。
「権利」を選択してから、先生と電話で話したりボウリングでみんなで喜んだり…
そういった些細な幸せを得られた一連のシーンは、すごく切なく見えた。
ラストシーンにかけてかなりドラマチックで綺麗ななシーンだったけど、
生きることを選択した後なのか、はたまた死後の世界なのか…
考えなきゃいけなかった問題に、
考えるきっかけを与えてくれた作品でした!