ぽ

PLAN 75のぽのネタバレレビュー・内容・結末

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

細やかな伏線の一つ一つが観る者の首をゆっくりゆっくり絞めていくような作品。冒頭、主人公たちがりんごを食べるシーンで「胃に入れば同じ」と話していたことと火葬場で他人と同時に焼かれるという説明に「死んだらわからないものね」と答えるご婦人。久しぶりに訪ねてきてくれた甥に手を振るおじいさんと終盤、主人公に手を振る小さな女の子。ちょっとした対比みたいな伏線が気づかないうちに痛みとなっている。
あなたの想像にお任せします的な終わり方だったが私はラストシーン含め、主要の登場人物それぞれの今後には希望も絶望もなく、ただただ現実と自分が今生きているという事実が"在る"ということだけを突きつけていると感じた。
生きている限り老いはある。喜怒哀楽を感じることもある。その人生の波をどう受け止めるかを、その場その場で考えて、私が私を生かさなければならない。
ぽ