えだ

PLAN 75のえだのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.0
説明的台詞の少なさが好ましい。言葉がなくても表情や風景で名前のない気持ちが想像できる(させてくる)シーンが多かった。登場人物が時々“こちら側”を見てくるので、ドキッとする。全てが地続きで、そのことに早く気付くべきなのにこれになる前の大元の話を毛嫌う人が多いのは事実。

この中で感情移入するのは岡部なんだけど、岡部はワガママを無闇矢鱈に言えるほど幼くはないし、全てに責任を持てるほど力(金や地位や人脈)は持ってない。そしてそのことを自覚している。
叔父に「帰る?」って聞いたとき、本当は「帰る」って言ってほしくて聞いたんだろうなって思った。

年上の親族がこういう“死”を感じさせるとき、相手の気持は尊重したいし敬いたいという気持ちと、そんなふうに言ってほしくない(けど責任が取れるわけではない)気持ちでいっぱいになる。どう言葉をかけたらいいのかずっとわからない。
えだ

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