少し前ある人物の『高齢者は集団自決すべき』といった発言が叩かれていた記憶が頭をよぎる。優生思想的な考えで全く共感できるものではないけれど、目の前で認識している課題は共通で、こんな発言が取り沙汰されるほど日本社会のバランスは崩れているんだなと思った。
『死ぬときぐらいは自分で選べたら』と笑うテレビCM。一緒に焼けば寂しくないし無料だって、その分10万円が自由に使えるよって。耳触りよく政府が、世間が「死ね」って言ってるようで息苦しい。全くの非現実とわりきって観れないから辛い。今自分は“若者”の立場にあるから他人事のようだけど、この映画で描かれる老人の孤独も諦観も今の老人よりきっと独身世帯が増えて情報社会が発達してシニアが働ける仕事も減ってるであろう未来の私たちの方がよっぽど重なるんだろうな。つれー。
こういうとき「政府は金のことしか考えてないのか！人権をなんだと思ってる！」って叩くことは簡単だけど、それで生きる道だけ残されたってなんの問題の解決にもならない。道じゃなくて居場所がほしいだけなんよなー。安楽死は反対じゃないけど、誰かの死にたいの正体が寂しいとか負けたくないなんだったら、生きる道を、社会を諦めたくないと思った。
向き合いたくない現実を突きつけられたようでダメージがでかい。上手く老いて、上手く孤独と付き合いたいなぁ。
