想像以上に硬派で重い。終始重くて病みそうになる作品。高齢社会と老いという自分達が直面する現実問題だからこそ、考えなければいけないということはわかっているがあまりにも重くて考えたくないと思ってしまった。
少子高齢化が叫ばれて久しく、様々なデータで語られるが、人ひとりひとりを考えていなかったなと気づく。一人ひとりを見ていけば、それぞれに人生がある。PLAN75を選択するのが自分の叔父で動揺したり、電話で話していただけの高齢者と直接会ったことで最後の電話で言葉が出なくなったり、自分が直接向き合った人となるとああなるのもわかる。
世界では安楽死を選べる国もある。安楽死とPLAN75は似ているかもしれないけど、自ら進んでやるかどうかで決定的に違うなと思った。PLAN75を推進する役所の人間はどういう気持ちで働いているのだろう。私だったら自分がその人を死なせているようで絶対にやりたくない。それと、制度としてこのように推進されると、選択は各人に委ねられているとしても75歳を過ぎても生きている人の立場が弱くなる気がする。だからやっぱり私は否かな。
