Yellowman

アジズ・アンサリのナイトクラブのコメディアンのYellowmanのレビュー・感想・評価

4.2
アジズ・アンサリがニューヨークの自分の原点となる場所でのパフォーマンス。
ここ、最近、彼は非常に露出が減った。差し当たって、思い返すと、去年、Netflixの「マスターオブゼロ」のシーズン3を監督したが、主演作だったこの作品は、友人でもあるデニース(リナ・ウェイス)が、主軸を務めるエピソードとなり、アジズの登場は、エピソード2つに、ほんのチョイ役に徹した。それ以外は、いろいろと憶測があるとは思うが、非常に頭のキレる彼らしい、時代の嗅覚を感じ取ったこの数年間だったと思う。
そんな彼が本来、ホームである場所にサプライズで、登場したもんだから、多少の居心地の悪さをネタにしつつ、喋り出したら、彼の独断場。コロナ問題から、巨大企業とアルゴリズムの因果関係や、日本でも良く聞く若手起業家、セレブ、インフルエンサーなどへの皮肉たっぷりなジョークで会場を沸かせると、リアルな貧困問題まで、問いかける。そして、彼が最大のオチとして使ったのは、7年前から全てのSNSをアカウントを削除した結果、今、使っているケータイは、ガラケーなんだという事。
彼曰く、自分の時間が増えて、今まで目にしなかったモノに目を向けたり、再発見や、新たに気づかされる事がとても多いらしい。
たった30分間の中に、凝縮された、彼らしい言葉での”今”がそこにあったと思う。
この日のパワーワードは、「みんなコンテンツが好き」「僕達は、コメント欄の住人だよね」
ガラケーになった彼が作る新作がとても楽しみでしかない。
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