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フォールアウトのvenom9のレビュー・感想・評価

フォールアウト(2021年製作の映画)
3.8
高校での銃乱射事件に遭遇した生徒たちの話です。
直接的な暴力シーンは避け、銃撃音や悲鳴、俳優たちの迫真尾の演技でその恐怖を表現しています。また、本作は事件そのものよりその後の日々に重きを置いています。
主人公のベイダ(演:ジェナ・オルテガ)は、事件発生時に何があったのか、心配かけたくないと家族含め周囲の人々に体験を話しません。また、事件をきっかけに親しくなったミア(マディ・ジーグラー)の屋敷に入り浸り酔っ払ったり、深夜徘徊したりとやや生活が荒れます。一念発起通学を再開しますが、物音にビクッと過剰に驚いたり、事件発生時に隠れていたトイレに入ることできなかったり、強いストレスに晒されます。ついにはエクスタシー(MDMA)を摂り授業中に酩酊状態になったり、不安定な状態が続きます。
本作では明確な解決は示されません。ベイダの家族(両親とおしゃまな妹)は苦しみつつも日常に戻ろうとするベイダを見守り支えます。彼らの存在が希望であり救いですね。辛い体験は人々と交流しながらゆっくり癒すしかなく、孤独に陥らないことが大事だと感じました。
カウンセラー役のシェイリーン・ウッドリーも出番は多くないですが印象的でした。「ダイバージェント」シリーズでブレークし、ややアイドル的な印象でしたが、近年「スノーデン」「モーリタニアン」など作品選びが硬派です。 

(2024年 4月 U-NEXTで鑑賞)
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