傑作胸糞ホラー「マーターズ」を久しぶりに観賞。
前半は子供時代、何者かに監禁虐待をされた経験を持つ主人公リュシーの復讐劇、後半はリュシーの親友でもうひとりの主人公アンナに起こった悲劇を描いています。
リュシーの部。一発目のショットガン、ドーン!からインパクト十分、その後ずっと痛いシーンが続きます。登場する謎の怪物とその正体。そしてリュシーの最期。ここまでで一本映画が出来ちゃいます。でもお話は続きます。何ならここからが本番です。
アンナの部。いろいろあって今度はアンナが監禁されてしまいます。暗闇に閉じ込められ延々と続く暴力により極限状態まで追い詰められるアンナが最後に見たものは...。
作品に漂う宗教色(タイトルからしてアレなんですが)がちょっと苦手なのと、大男による暴力シーンは観ててしんどかったです。
それと有名(?)な皮を...なシーンは今見るとちょっとチープかなって。
それでも全体的には見事な胸糞トラウマ映画だったので高得点です(特にラストシーン、個人的には100点満点!)。
そして何より主役の二人の体当たり演技が素晴らしかった。
最後に。
後半登場の大ボスの耳元でアンナが囁く一言。
「何にもねえよクソッタレ」
であってほしい。
※ここからは記録用です。
エグい。
この監督、かなりの変態だ。
もちろん、いい意味でなんだが。
主人公は、少女時代の長年に渡る監禁虐待から脱出したリュシーと、 その後、施設で出会ったリュシーをずっと支え続けたアンナの二人。
作品は、大人になったリュシーが復讐を果たすため犯人とその家族を猟銃で皆殺しにする前半部と、謎のカルト集団にアンナが監禁拷問される後半部となっております。
全編を通じて徹底的に描かれる痛みと暴力は、傑作拷問ムービー「ホステル」や本作と同じフレンチホラー「ハイテンション」のそれを超え、リュシーのトラウマが生み出した奇っ怪な動きのモンスター「死んだ女(って名前らしい)」や、ヘンテコな拘束具を装着された「頭ホッチキスの女」、拷問の末、あるモノを剥がされてしまったアンナの変わり果てた姿など、トラウマ映像の連続に、不快感が最後までずーっと続きます。
ラスト。
全ての苦痛を乗り越え、その先の世界を見たアンナが、カルト集団の女ボス、マドモアゼルに最後の証言をするのだが、アンナが何を話したか解らぬままエンドロールを迎える。
個人的には「教えねえよ、クソババア」であってほしい。
最後に。
特典映像のメイキングを観ると、監督のこだわり故か、なかなかのピリピリムードな撮影現場なのだが、ニヤニヤと満足げな表情でコーラを飲む監督の姿が一番のホラーだったりする。